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腐った方向に愛をぶちまけるブログです。
たいてい腐ってます。
はじめましての方はカテゴリー内「初めにお読みください」の記事を読んでください。
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(クラッシュと見知らぬロボット)
(長くなったので続きます)
クラッシュがその場所を見つけたのは偶然だった
フラッシュと共に今は使われていない古い研究所に調査に入った時だった
もし研究所内に博士の研究に役立つものが残っているならばそれを回収してこいとの命令であったが、おもに作業をするのはフラッシュでクラッシュはもし万が一研究所内にガードロボがいた際その排除が仕事だった
しかしあいにくもう使われていない研究所を守るものなどなくクラッシュは手持ち無沙汰気味に建物の外で夜空を見上げていた
もし何も有力なものがなかった場合は研究所ごと破壊してもいいぞ
任務に向かう前にメタルに言われた言葉を思い出しトクリとコアが振動する
それなりに規模の大きな研究所だ
こいつを壊せると考えただけで喜びに胸が躍る
(はやくフラッシュが戻ってくればいいのに)
そんなことを考えながら空に浮かぶ星をぼんやり眺めていた時だった
「ん……?」
かすかだが、声が聞こえた
話し声ではない
「う…た…?」
聴覚センサーの感度を最大にしてみるとかすかな旋律
クラッシュは歌というものを知らなかった
もちろん知識としては知っていた
旋律にあわせて言葉を発すること
でも自分をはじめ兄弟たちで歌を歌うものなどいなかったため、かすかに聞こえてくるその旋律に興味を引かれた
(ちょっとだけならいいよな)
フラッシュが戻ってきそうな気配はない
クラッシュは聴覚センサーを頼りに声の方へあるきだした
聴覚センサーに従い研究所の裏に回ってみるとそこには森が広がっていた
鬱蒼と茂る木々は普段なら森に入ることすら躊躇わせる印象を与える
しかしクラッシュにはまるで歌声が自分を誘っているように感じたため躊躇いもなく森に足を踏み入れる
森の中は薄暗く、僅かにさす月の木漏れ日だけでは足を取られて転んでしまいそうだった
クラッシュは足元に注意を払いながら草を踏みしめ進んでいく
足を進めるたび歌声はどんどん明瞭に聞こえるようになり、無意識に自分が緊張していることに気づいた
「……!」
声に誘われようやく暗闇に慣れてきた視界が急に明るく開けたものになりクラッシュはぱちぱちとまばたきをする
いきなり大量の光を得たカメラアイが明るさに慣れるのにさほど時間はかからなかった
「だれ?」
聴覚センサーが声をひろう
先ほどまでの歌は止み、声の方にアイを向けるとそこには少女がいた
正確には少女型のロボットだろう
ぱっと見ただけでは人間と見間違うほどの出来だが、ところどころ人工皮膚が剥がれ素体がむき出しになっていることで彼女が人間ではないということをしめしていた
クラッシュは動けなかった
確かに歌声の正体を知りたいと思いここまでやってきたが、まさかその正体と対峙するとは思わなかったからだ
影からこっそり正体を確認してからフラッシュのところに戻ろうと考えていたのだ
「あなた……あなたもロボットなんだね。」
クラッシュの両腕のドリルを見て少女は呟く
それからまっすぐにクラッシュのアイを見つめてきてクラッシュはますますどうしていいかわからなくなる
「こっちおいでよ。わたしちょうど話し相手が欲しかったんだ」
(綺麗な歌声と優しい笑顔と月明かりの下での邂逅)
(長くなったので続きます)
クラッシュがその場所を見つけたのは偶然だった
フラッシュと共に今は使われていない古い研究所に調査に入った時だった
もし研究所内に博士の研究に役立つものが残っているならばそれを回収してこいとの命令であったが、おもに作業をするのはフラッシュでクラッシュはもし万が一研究所内にガードロボがいた際その排除が仕事だった
しかしあいにくもう使われていない研究所を守るものなどなくクラッシュは手持ち無沙汰気味に建物の外で夜空を見上げていた
もし何も有力なものがなかった場合は研究所ごと破壊してもいいぞ
任務に向かう前にメタルに言われた言葉を思い出しトクリとコアが振動する
それなりに規模の大きな研究所だ
こいつを壊せると考えただけで喜びに胸が躍る
(はやくフラッシュが戻ってくればいいのに)
そんなことを考えながら空に浮かぶ星をぼんやり眺めていた時だった
「ん……?」
かすかだが、声が聞こえた
話し声ではない
「う…た…?」
聴覚センサーの感度を最大にしてみるとかすかな旋律
クラッシュは歌というものを知らなかった
もちろん知識としては知っていた
旋律にあわせて言葉を発すること
でも自分をはじめ兄弟たちで歌を歌うものなどいなかったため、かすかに聞こえてくるその旋律に興味を引かれた
(ちょっとだけならいいよな)
フラッシュが戻ってきそうな気配はない
クラッシュは聴覚センサーを頼りに声の方へあるきだした
聴覚センサーに従い研究所の裏に回ってみるとそこには森が広がっていた
鬱蒼と茂る木々は普段なら森に入ることすら躊躇わせる印象を与える
しかしクラッシュにはまるで歌声が自分を誘っているように感じたため躊躇いもなく森に足を踏み入れる
森の中は薄暗く、僅かにさす月の木漏れ日だけでは足を取られて転んでしまいそうだった
クラッシュは足元に注意を払いながら草を踏みしめ進んでいく
足を進めるたび歌声はどんどん明瞭に聞こえるようになり、無意識に自分が緊張していることに気づいた
「……!」
声に誘われようやく暗闇に慣れてきた視界が急に明るく開けたものになりクラッシュはぱちぱちとまばたきをする
いきなり大量の光を得たカメラアイが明るさに慣れるのにさほど時間はかからなかった
「だれ?」
聴覚センサーが声をひろう
先ほどまでの歌は止み、声の方にアイを向けるとそこには少女がいた
正確には少女型のロボットだろう
ぱっと見ただけでは人間と見間違うほどの出来だが、ところどころ人工皮膚が剥がれ素体がむき出しになっていることで彼女が人間ではないということをしめしていた
クラッシュは動けなかった
確かに歌声の正体を知りたいと思いここまでやってきたが、まさかその正体と対峙するとは思わなかったからだ
影からこっそり正体を確認してからフラッシュのところに戻ろうと考えていたのだ
「あなた……あなたもロボットなんだね。」
クラッシュの両腕のドリルを見て少女は呟く
それからまっすぐにクラッシュのアイを見つめてきてクラッシュはますますどうしていいかわからなくなる
「こっちおいでよ。わたしちょうど話し相手が欲しかったんだ」
(綺麗な歌声と優しい笑顔と月明かりの下での邂逅)
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