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鋼の長兄とポッポーと次男を愛する腐れ女子
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(カリンカとロール)














小さい頃から私は、お父様にもらった大きな姿見鏡の前に座るのが大好きだった
大きな鏡に映る私は輝いていて、私はこの世で一番可愛い女の子は自分だって信じていたわ
お父様も、お父様が作ったロボット達も、みんな私が一番可愛いって言ってくれたし、その賛辞は当然のものだと思っていた


鏡よ鏡、世界で一番可愛い女の子は?



御伽噺の魔女のように鏡に尋ねるまでもない
絵本の中で、自分の美しさを鏡に尋ねる魔女を見て、なんて浅はかで可哀想な女なんだろうと思っていた
自分の美しさに自信があるならば鏡に尋ねるなんて虚しいことはしないもの
魔女は美しかった過去の自分に縋る哀れな女だった
私はそんな哀れな女にならないわ
幼いながらに私はそう思っていたの









「カリンカちゃん!」

「ロールちゃん…?」


街でいつもの様にお父様のロボットを従えウィンドウショッピングをしていた時だった

鈴を転がすような綺麗な声が私を呼んだ
振り返ると、両手にスーパーの袋を持ったきらきらとした女の子が私に微笑んでいた
その笑顔が眩しくて、私は自分の中に何か嫌な感情が込み上げてくるのを感じた




「お買い物?」

「うん!みんなのご飯と日常品を買ったの。安かったからついたくさん買いすぎちゃった」



彼女が両手に持っている袋は一目で人間の女の子であるならば持てないような重量感があるとわかった
それをなんの問題もなしに持てるのは彼女が人間ではないから
私の後ろに控え、高級な服や鞄の詰まった包みを抱えるロボットと同じ


「カリンカちゃんもお買い物?」

「ええ。新作のアクセサリーが出たって聞いたから…」

「いいなぁ~あたしもひとつくらい綺麗なアクセサリー付けてみたいなぁ…」


ショーウィンドに飾られる宝石を見て目を輝かせる彼女がロボットに見えるだろうか
私には、こんな宝石よりも彼女の青い瞳の方がよっぽど美しいものだと思った
急に綺麗な宝石や肌触りの良い高級な服、流行りものの帽子で着飾った自分が酷く惨めに感じられた

この子は、そんなものがなくても美しいのだ

誰もが認める完璧な少女

私はやがて年をとり、肌の張りも、形の良い胸も、私を完璧とさせていた全ての要素を失う
しかし彼女は……年をとることはない
永遠に、完璧な少女でいられるのだ






「カリンカちゃん?大丈夫…?」

「…………ええ」






ああ、これでは同じではないか
昔、絵本で見た魔女と
私が哀れな女と嘲笑ったあの魔女と……

目の前で心配そうに顔を歪める彼女に私は精一杯の虚勢を張り言葉を絞り出す


「ありがとう、ロールちゃん」



私は私のプライドを守る為に自分に言い聞かせる
魔女になんかなってはいけない
彼女の美しさに嫉妬するなんて、惨めなことはしない


私はぎこちない微笑みを浮かべた











(鏡よ鏡、私はあなたの言葉なんか信じないわ)


++++++++++++++++++++
ほもも好きだがゆりも好きです(二次元的な意味で)

需要がないだろうということはわかってた
だが書いてしまった\(^o^)/

ほんとはもうちょっと自重してなかったんですが、自重させました。
だから×じゃなく+表記

可愛いは正義!
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