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(QMでお題)
プライドの限界域(QM+B)の続きっぽい)












クイックは悩んでいた


思わずバブルのもとから飛び出して行ってしまったものの、いったいどうすればいいのかと…




キミはどうしたのさ?




バブルの問いを声に出さずに繰り返す


「…………。」



(どうもこうも……やっぱりわかんねぇよ!)



考えれば考えるほどもやもやしたものは広がっていく
外でも走って気を紛らわせようとした時だった






「げっ……メタル…」

「げっ……て……。さすがに傷付くぞ…」

通路脇の扉が開き深紅のロボットが出てくる
博士の手伝いをしてたのだろう、なんだか疲れているように見える



「お前、寝てねぇの?」

「ん…?まぁまだ大丈夫だ。稼働に支障はきたしてないし、処理能力も…」

「寝てねぇんじゃねえか!」




深く考えるよりも先にクイックはメタルの腕をつかんで歩き出した


「おい、クイック…」

「うっせー!」



後ろから非難の視線を感じるがクイックは止まらなかった
そんなクイックの様子にメタルは密かに溜め息を漏らす


(こうなったら聞かないからな、コイツは)









クイックがメタルを連れてきたのはメタルの自室だった

「寝ろ!」

「いや、しかしな…」

「お前、オーバーワークも大概にしろよ!」


寝台に座ったメタルとそれを仁王立ちで見下ろすクイック
紅と翠の視線がかち合う

先に折れたのは紅だった



「わかった…では一時間だけスリープモードに切り替える」

「もっとちゃんと休めよ」

「いや、これ以上は博士の補佐をするのに支障をきたすからな。」


そう告げて体を横たえると思ってた以上に体が重く感じた
たしかに、あれ以上稼働し続けていたら、処理能力にエラーが発生し博士に迷惑をかけていたかもしれない


(起きたらクイックに礼を言わなければな)


そんな思考とともにメタルの意識はまどろみの中に落ちていった









「寝たか…?」


メタルがスリープモードに入るとクイックはメタルの寝台に近づいた




「…………。」

覗き込むと紅のカメラアイは閉じられ正常な呼吸音が聞こえてる


(これ、息苦しくねーのかな?)


口元を覆うマスクに手をかけ外す
ほんの親切心からの行動だった




「………!」



メタルの素顔を見たことがないわけではない

(いつも食事の時は外しているし)


しかしまじまじと見ているとクイックの中にまたもやもやとした感情が生まれてきた
同時にバブルの発言を思い出しクイックは眉を顰める



(クラッシュと、してるならいいよな)



上体を屈め顔を近づけるとコアが大きく波打った
そのまま露わになった唇に自分のそれを重ねる





「…………!」
(何やってんだ俺は!)


急に恥ずかしさがこみ上げ唇を離す
一瞬重なった唇の感触はひどく心地よいものだった





(あーもう!こういうことかよ!)


バブルの言ってたこともあながち間違ってはいなかった




クイックは赤い顔のまま逃げ出すように飛び出した









(キスとジレンマ)

title>>>徒花



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自覚するまでが長いんです
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