俄雨(FC)

(ＦＣ)















任務で、ちょっと大きめの工場を襲撃した時があった
そこには人間もロボットもたくさんいて、あらかじめ人間が逃げる時間は作ったけど、やはり逃げ遅れた人間がいた

人間に対しては攻撃をしないのが、おれたちの中での暗黙の了解だったから、顔を真っ青にして震える人間に、はやく逃げなよと声をかけた

人間はひぃっと悲鳴をあげて震える手で銃を乱射してきた
おれの装甲は丈夫だから人間が扱う銃弾なんて効くハズもない
弾切れの銃の引き金を何度も引いてから、人間は叫んだ






化け物！









それから人間は情けない声をあげながら逃げていった

おれは人間の言った言葉がショックで悲しくなった
おれはバケモノじゃないけど、あいつにとってはバケモノなんだと思った


ぼぉっとその場で立ち尽くしてるとメタルから通信が入った
引き上げるから戻ってこいって
おれはなるべくいつもと変わらないように了解と返した
悲しい気持ちを振り払うようにぱちぱちまばたきをしてからその場から離れた










みんなと合流して帰還する
今日もいっぱい暴れたね！と笑顔を向けてくるヒートにそうだなと笑いかえす
いつもなら素直に笑えるけれど、今日はなんだか胸のあたりがざわざわした
でもここでおれがいつもと違う態度をとったら楽しそうなヒートが楽しくなくなってしまうかもしれない
おれはむりやり笑っていた






「おい」

「なんだ？」



城に帰ってみんなにおやすみを言って部屋に戻ろうとしたときフラッシュに呼び止められた


「お前、大丈夫かよ？」


顔をしかめるフラッシュにおれは目を丸くする


「おれ、わらえてなかったか？」

「……多分他の奴らは気づいてねぇよ」



なにかが込み上げてくるのがわかった
隠していたはずなのにフラッシュにはわかってしまった


「おまえ、面倒くせぇ奴だよな」


そう言いながらもフラッシュの目は優しい
まばたきをするとポロポロと目から雫が落ちた




黙って俺を抱き寄せたフラッシュに縋りつくように、俺は泣き続けた










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クラッシュは実はいろいろ考えて、悩んでるけど、それを溜め込んでしまうタイプだったらいい

馬鹿を演じてるけど実際はナイーブとか

そんでたまにフラッシュに泣きついてサッパリする…みたいな

駄目だ…疲れてて脳が働かん