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(ウッドとクラッシュ)















可愛がっていた小鳥が動かなくなってしまった
僕が森に行くたびに近寄ってきて、僕の肩にとまり軽やかな鳴き声で歌う小鳥が僕は大好きだった
しかし、今朝いつものように森に行くと、あの小鳥が地面に落ちていた
艶やかだった羽根はなんだか赤黒く染まり、毛羽立ってしまっていた
僕はどうしていいかわからず、動かない小鳥を城に連れて帰った
城に帰ると、クラッシュ兄ちゃんがいた
兄ちゃんは僕の手のひらの上の小鳥を見ると目を見開いて、どうしたんだ?と尋ねてきた
僕は、いつも仲良くしていた小鳥が今朝動かなくなってしまった旨を話した
博士やメタル兄ちゃんなら直せるかな?
僕がそう尋ねるとクラッシュ兄ちゃんは悲しそうな顔をした
僕は何か悪いことを言ってしまったのかと不安になった
クラッシュ兄ちゃんは目を閉じ、ふるふると静かに首を横に振った
それからドリルの手で、そっと動かない小鳥を撫でた
それから、僕の目を真っ直ぐ見て、直せないよ、と呟いた
僕はなんで?と聞きかえした
クラッシュ兄ちゃんはより一層悲しそうな顔で僕を見た
僕はなんで兄ちゃんがそんな顔をするのかわからなかった
ただ、兄ちゃんを困らせてしまったことが申し訳なくて、ごめんなさいと呟いた
クラッシュ兄ちゃんは小鳥のお墓を作ってあげようと言った
僕はお墓というものがなんなのかよくわからず首を傾げた
そんな僕について来いと呟きクラッシュ兄ちゃんは歩き出した
僕はただ兄ちゃんに従う
兄ちゃんがやってきたのは今朝小鳥を見つけたいつもの森だった
少し開けた場所に出ると兄ちゃんはドリルの手を地面に突き立て穴を掘り出した
ドリルを回せばすぐに穴は掘れるのに、兄ちゃんはいちいち土を掻き出すようにして穴を広げてゆく
僕はどうしていいかわからず、ただ小鳥を手のひらに乗せたままそれを見ていることしかできなかった
ある程度穴が深くなると兄ちゃんは小鳥を穴の底に置くように指示をしてきた
僕が従い、小鳥を置くと、クラッシュ兄ちゃんは小鳥の上に土を被せはじめた
なにするの!と思わず声をあげてしまった
そんなことしたら小鳥が苦しがると思った
しかしクラッシュ兄ちゃんは土を被せ続ける
すっかりと穴を埋めてしまうと兄ちゃんは立ち上がった











「兄ちゃん!なんでこんなことするの…!」

僕は立ち上がった兄ちゃんに詰め寄る

「埋めてしまったら、もうあの子を直せなくなっちゃうよ……」

クラッシュ兄ちゃんは悲しそうな顔で僕を見上げてくる
その表情に、コアが締め付けられるように痛んだ


「あの子は、なおせないんだよ…」


土の着いたドリルアームに視線を移しクラッシュ兄ちゃんは続ける


「おれたちとあの子は、ちがう。おれたちは機械だから壊れてもなおせるけど、あの子はなおせないんた。あの子は……死んだんだよ」



クラッシュ兄ちゃんの言葉は僕にはよくわからないものだった
知識としての死というものはデータに入っていた

生命活動が停止すること

だったら僕らだって似たようなものだと思っていた
しかしクラッシュ兄ちゃんが言うには僕らのそれとはまったく違うものらしい

よく、わからなかった

けど、もう二度とあの子が僕の肩にとまることも、僕の肩で歌うこともないという事実はわかった
あの子は冷たい土の下に埋められた
そしてもう動くことは、ないとクラッシュ兄ちゃんが言ったから



小鳥が埋まった土を見つめながら、僕は静かに涙を流した












(これが別れだということだけはわかったから、)









++++++++++++++++++++
突発的にウッド書きたくなったんです。
うちのウッドは、癒やしの末っ子だけど大人びてはいません。
あくまで末っ子。落ち着いているけど末っ子。
中身はわりと子供です。考え方とか、まだ未熟

クラッシュは兄達やフラッシュに比べればまだ知識も経験も足りないけど、ヒートやウッドよりは世の中のことは知ってる
割とちゃんとヒートやウッドにたいしてはちゃんとお兄ちゃん

ウッドはまだ死とか、よく理解出来ていない感じ
ロボットと生き物の生命活動の違いがよくわからないから、クラッシュの言うこともよくわからない
その辺り、まだ成長途中だけど、なんとなく悲しい感情はある

なんだかgdgdですみません。
末っ子ウッド、他の兄弟とも絡ませたいな。そして成長させてあげたい。

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