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腐った方向に愛をぶちまけるブログです。
たいてい腐ってます。
はじめましての方はカテゴリー内「初めにお読みください」の記事を読んでください。
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※割と読む人を選ぶ内容のシリアスです
※死ネタにとれなくもない
※ALL
今や古びた研究所の一番奥
寝台に横たわる老人を囲むように、8体のロボットが見つめていた
「これが、お前たちにとって最後のメンテナンスになる」
痩せた体を震わせ老人は静かに口を開く
彼の周りの8人の息子達は自然と息を呑む
「お前たちに質問をしようかの、」
ゆっくりと紡がれる言葉を何一つとして聞き逃しはしまいと兄弟達は彼等の父親を見つめる
「もしわしが、いなくなったとしたら、お前たちはそれでも動いていたいと思うか?」
父親の言葉に場の空気が変わる
そんなことを言ってはいけません
そう抗議しようとした紅いロボットを老人は視線で咎める
紅いロボットはそのマスクで隠された表情を悲しげなものにした
「なに言ってるのさ博士!」
兄弟達の沈黙を破ったのは七番目だった
「博士はテンサイカガクシャなんだから、いなくなるなんてことないでしょ?」
「はかせ、おれ、はかせが元気になったら今まで以上にもっともっとたくさんのもの壊すよ。だからはやく良くなってね」
七番目の言葉に五番目が続ける
ああ、この子達にはまだ人間の脆さというのがわかっていないのだろう
しかし、だからこそこれから様々なものを吸収して、より成長してゆける
老人は目元を和らげた
「僕、博士の為に森で花をたくさん摘んでくるよ。体に良い薬草も森にはたくさんあるから、だから…」
おずおずと言葉をはっしたのは八番目だった
この子は聡い
きっと全ては理解していなくてもうっすらとわかってはいるのだろう
自分が消えることによって、この子が理解出来ていない事もわかるだろう
「俺は……よくわかんねぇけど、でも動き続けたい」
少し戸惑いながらもきっぱりと言い切ったのは四番目だった
最強最速を誇る彼だからこそ、自我も他に比べ高いのだろう
「俺も……多分動き続けると思う」
熟考の末、口を開いたのは六番目
兄弟の中でもっとも人間に近い考えをする彼は、きっと兄弟達の良き頭脳となるだろう
「俺は動き続けます」
「僕も」
何かをこらえるように呟く二番目に、どこか悲しそうな三番目が続く
「俺は、あなたがいたという事実をずっとこの世に残したい」
「悪の天才科学者の名前を世に語り継がなくちゃね」
つとめていつもの調子で言葉を紡ぐのは、彼らがもう、覚悟を決めているからだ
弟達より、長い時間を己と共にした彼らだからこそ、いつかくるこの日の為に覚悟を決めていたのだろう
「俺は……」
最後に口を開いたのは一番目だった
その表情はいまにも泣き出しそうなものだ
「あなたがいなくなったら……俺は起動を止めます」
真っ直ぐに老人を見つめる紅い瞳
動揺する他の兄弟に対して老人は穏やかに笑っていた
「やはりお前さんはそうするか。じゃが……」
「…ええ。わかっていますよ」
泣きそうな顔で無理矢理笑顔を作ってみせる
「やるべきことを、全て終えてから私もあなたの後を追いますよ。ドクターワイリー、弟達のことは、私に任せてください。少し遅くなるかもしれませんが、必ずあなたの元へ行きます。だから、ゆっくりおやすみください、父上」
紅いロボットの言葉を聞くと、老人は満足そうに微笑んだ
彼の今までが、走馬灯のように駆け抜ける
世間に認められず悔し涙を飲んだ学生時代
長年の夢だった感情を持つロボットの開発
息子達との生活
ライバルの作った青いロボットに邪魔されっぱなしであった世界征服
病魔に侵された数年間
その全てが、まるで宝石のように輝いていた
今、この瞬間、愛する息子達に囲まれ眠ることが、とてつもなく幸せだった
世界一幸せな時間の中、悪の科学者と呼ばれた男アルバート・W・ワイリーは穏やかに瞳を閉じた
(おやすみなさい、また会う日まで)
++++++++++++++++++++
なんかすみません…
おかしいな、私、寝る筈だったのに小説書いてーら\(^o^)/
※死ネタにとれなくもない
※ALL
今や古びた研究所の一番奥
寝台に横たわる老人を囲むように、8体のロボットが見つめていた
「これが、お前たちにとって最後のメンテナンスになる」
痩せた体を震わせ老人は静かに口を開く
彼の周りの8人の息子達は自然と息を呑む
「お前たちに質問をしようかの、」
ゆっくりと紡がれる言葉を何一つとして聞き逃しはしまいと兄弟達は彼等の父親を見つめる
「もしわしが、いなくなったとしたら、お前たちはそれでも動いていたいと思うか?」
父親の言葉に場の空気が変わる
そんなことを言ってはいけません
そう抗議しようとした紅いロボットを老人は視線で咎める
紅いロボットはそのマスクで隠された表情を悲しげなものにした
「なに言ってるのさ博士!」
兄弟達の沈黙を破ったのは七番目だった
「博士はテンサイカガクシャなんだから、いなくなるなんてことないでしょ?」
「はかせ、おれ、はかせが元気になったら今まで以上にもっともっとたくさんのもの壊すよ。だからはやく良くなってね」
七番目の言葉に五番目が続ける
ああ、この子達にはまだ人間の脆さというのがわかっていないのだろう
しかし、だからこそこれから様々なものを吸収して、より成長してゆける
老人は目元を和らげた
「僕、博士の為に森で花をたくさん摘んでくるよ。体に良い薬草も森にはたくさんあるから、だから…」
おずおずと言葉をはっしたのは八番目だった
この子は聡い
きっと全ては理解していなくてもうっすらとわかってはいるのだろう
自分が消えることによって、この子が理解出来ていない事もわかるだろう
「俺は……よくわかんねぇけど、でも動き続けたい」
少し戸惑いながらもきっぱりと言い切ったのは四番目だった
最強最速を誇る彼だからこそ、自我も他に比べ高いのだろう
「俺も……多分動き続けると思う」
熟考の末、口を開いたのは六番目
兄弟の中でもっとも人間に近い考えをする彼は、きっと兄弟達の良き頭脳となるだろう
「俺は動き続けます」
「僕も」
何かをこらえるように呟く二番目に、どこか悲しそうな三番目が続く
「俺は、あなたがいたという事実をずっとこの世に残したい」
「悪の天才科学者の名前を世に語り継がなくちゃね」
つとめていつもの調子で言葉を紡ぐのは、彼らがもう、覚悟を決めているからだ
弟達より、長い時間を己と共にした彼らだからこそ、いつかくるこの日の為に覚悟を決めていたのだろう
「俺は……」
最後に口を開いたのは一番目だった
その表情はいまにも泣き出しそうなものだ
「あなたがいなくなったら……俺は起動を止めます」
真っ直ぐに老人を見つめる紅い瞳
動揺する他の兄弟に対して老人は穏やかに笑っていた
「やはりお前さんはそうするか。じゃが……」
「…ええ。わかっていますよ」
泣きそうな顔で無理矢理笑顔を作ってみせる
「やるべきことを、全て終えてから私もあなたの後を追いますよ。ドクターワイリー、弟達のことは、私に任せてください。少し遅くなるかもしれませんが、必ずあなたの元へ行きます。だから、ゆっくりおやすみください、父上」
紅いロボットの言葉を聞くと、老人は満足そうに微笑んだ
彼の今までが、走馬灯のように駆け抜ける
世間に認められず悔し涙を飲んだ学生時代
長年の夢だった感情を持つロボットの開発
息子達との生活
ライバルの作った青いロボットに邪魔されっぱなしであった世界征服
病魔に侵された数年間
その全てが、まるで宝石のように輝いていた
今、この瞬間、愛する息子達に囲まれ眠ることが、とてつもなく幸せだった
世界一幸せな時間の中、悪の科学者と呼ばれた男アルバート・W・ワイリーは穏やかに瞳を閉じた
(おやすみなさい、また会う日まで)
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なんかすみません…
おかしいな、私、寝る筈だったのに小説書いてーら\(^o^)/
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