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鋼の長兄とポッポーと次男を愛する腐れ女子
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※クイメタ
※アンケートご協力ありがとうございます!












メタルは不満だった
もっぱらその不満の対象は最速を誇る弟機である

互いに好き合っていることがわかり、晴れて想いを伝えて結ばれた
まさか自分が特定の人物、しかも弟に固執するとは思わなかったメタルだが、互いに好意のベクトルを向けあうというのはなかなか甘美なものだった
プライドの高いクイックだが、子供っぽい所もありそれを可愛いと思うし、一方であの端正な顔立ちで大真面目に愛を囁かれるとコアがうるさいくらい鳴り、ポーカーフェイスが得意なメタルでもその頬に赤みが差した

互いに惹かれ合う幸せ
そんな幸せの中で、徐々にメタルは物足りなくなってきた




クイックは全くと言っていい程、メタルに手を出してこないのだ










「おい」

「…ん?」


不機嫌オーラ丸出しでソファーに寝転ぶクイックに近寄る
読んでいた雑誌から目を離し、起き上がろうとするクイックを押し倒す勢いでメタルはそれを阻止した



「え……?ちょ……メタル…?」

「………………。」

ぱちくりと目を丸くするクイック
全く状況が飲み込めていない
自分の上に馬乗りになってじとりと睨みつけるメタルに困惑したような視線を向ける



「どうしたんだ…?」


自分は何かメタルの琴線に触れるようなことをしただろうか?
メモリを辿るが思い浮かばない






「お前は……」

「…?」

「……この状況でも何も感じないのか?」



すっとメタルが己のマスクに手を掛け外す
その口元はまるで拗ねたように引き結ばれていた
普段とは違うメタルの幼い表情にクイックのコアが跳ねる
同時にメタルの言わんとしてることがわかりかぁっと顔に熱が集まる




「……もう、いい」

「待てよ…!」



拗ねた様にクイックの上から退こうとするメタルの腕をとっさに掴み引き寄せる
バランスを崩した体はすっぽりとクイックの腕に収まった



「………………。」

「………………。」




沈黙
引き止めたはいいがその後の事までは考えていなかったクイックは焦る




「俺は……」



ドクドクとコアが脈打つのがはっきりわかった
きっとメタルにも聞かれているんだろうと思うと気恥ずかしいが、そんなことに構ってる場合ではない



「お前のこと、好きだから……軽々しくそういうコトしたくねぇっていうか……大切にしたいから…その…」

「……………。」



メタルに触れる度、触れられる度、確かに欲情はあった
しかし、それを理性で押さえつけていた
メタルが望まない限りは自分も望まない
望んではいけない

そうやって強く抑えつけていた


しかしそんな理性も、今の状況では揺らいでいる
ハッキリとしたGOサインがないため辛うじて我慢している、といった様子だった





「クイック」

「…………!」



腕の中でメタルが身じろいだかと思うとちゅっと唇に柔らかな感触を感じた
すぐに離れてしまったそれに驚きと物足りなさを感じつつも見上げれば悪戯に誘う紅が見えた



「もっと欲しいなら、自分で奪ってみろ」

「…………っ!」


上から見下げるメタルの後頭部に手をやり、余裕のないキスをする
そんなキスをメタルは満足そうに受け入れた














(枷は外された!)



++++++++++++++++++++
ヘタレなパヤオと押せ押せメタルでした。

パヤオは一線越えちゃえばあとはやっぱりクイックだと思う


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