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※2ボスで鋼受けALL

※続きものなので前の話読まないとサッパリです
恋は戦争#1/#2/#3/#4/  次>#6

※続いちゃっ…た…orz













ワイリーのラボを出たメタルは、とりあえずエアーと合流することにした
いくら武闘派のエアーでも、ヒートとウッドの二人を相手に戦うのは分が悪すぎる
エアーの身が心配だったメタルは真っ先に先ほどの場所へ向かった








「あっ!メタル兄ちゃん!」

「………ウッド」

先ほどエアーと別れた付近にやって来るとそこにはウッドがいた
メタルの姿を確認すると嬉しそうに駆け寄ってくる
メタルは少し身構えながらもウッドを見つめた




「………エアーとヒートはどうした?」

「向こうにいるよ。僕はメタル兄ちゃんを探して連れて来てってヒートが……。さっきはエアー兄ちゃんに邪魔されちゃったけど今度は、逃がさないからね……」


おそらくエアーはヒートと交戦中なのだろう
ウッドの顔から笑みが消える
その瞳は、いつもの優しい弟のものではなく、無機質な戦闘機そのものだった




「逃げるつもりはない。俺はお前と話をするために戻ってきたんだ」

「話…?」


今にもリーフシールドを発動させようとするウッドにメタルはこちらには抵抗の意志がないことを伝える
ウィルスによって暴走しているとは言え、ウッドは元々必要以上の戦闘は好まない
メタルの予想通り、ウッドの周りの刺々しい空気が消える





「ウッド、お前はどうしてこんなことをしたんだ?」

「?……僕が、メタル兄ちゃんのこと大好きだからだよ。だからこそ兄ちゃんの一番になりたいんだ」


ぱちくりとまばたきをしながらウッドは答える
何故メタルがそのような質問をするのか理解出来ない、といった様子だった



「ウッドがこうやって自分の意見を第一に主張するのは初めてだな」

「………………。」



メタルの言葉にウッドは何故か言葉が出なかった
そんなことない

そう言いたかったが声には出せない
何かが邪魔をしているのだ
それはウッドにとってとても苦しいものだと感じた




「ウッド」

「………!」


ゆっくりとメタルがウッドに近づく
ウッドは無意識に一歩下がっていた
先ほどまではメタルを捕まえようとしていたのに、今はこの場から逃げ出したい気持ちが湧いてくる
手を伸ばせば届く距離まで来て、メタルがピタリと止まる
ウッドは戸惑いの視線をメタルに向けた




「ウッド、こんな事をしなくてもお前はもっと甘えていいんだぞ?」

すっとメタルの両腕が伸びてきてウッドの頭を包み込むように撫でる
触られた場所から、メタルの言葉から、なにかあたたかなものがウッドに流れ込んでくるような気がした




「お前は控えめで、いつも他の兄弟達を優先しようとするだろう?俺はもっとお前に我が儘を言って欲しいし、それに応えたいと思ってるんだ」

「……………でも」



ウッドは混乱していた
メタルが言葉を発する度にコアが跳ねるような感覚に襲われるのだ
言ってはいけない、我慢しなければ…
そう思えば思うほど感情回路は混乱した
感情回路の混乱に伴ったのか、無償に泣きたい気持ちが込み上げてきて、ウッドはぐっと掌を握りしめる




「僕…僕は…嫌われたくない……困らせたら…嫌われちゃうから…だから…」

「お前がどんな我が儘を言ったって俺はお前を嫌いになったりしないぞ?俺だけじゃない、他の兄弟達にとってもお前は大切な弟なんだ。だれもお前を嫌いになったりしない」


メタルは真っ直ぐにウッドを見る
ウッドは兄機の紅い瞳から目がそらせずにいた
しかし直ぐにその紅が滲む
ぱちりとまばたきをするとカメラアイから冷却水が流れ落ちた
それはウッドの意志とは関係なく流れ続ける
メタルに伝えたい言葉はたくさんあるのに嗚咽が邪魔をして言葉にならない


泣きじゃくる末弟の背に手を回しながらメタルは優しく微笑んだ


















泣き止んだウッドはもう先ほどまでとは違っていた
メタルに何度も謝った後、ワイリーのラボに向かう末弟を見送り、メタルは足を早める





「エアー!ヒート!」

「あっ!メタル!!」

嬉しそうに目を輝かすヒートと対照的にエアーは何故戻ってきたのかと言うような視線を向ける
所々損傷箇所があるエアーに対し、ヒートには目立った外傷は見えない
おそらくエアーがだいぶ手加減をしていたのだろう

メタルはエアーに大丈夫だと視線を送る
メタルの言わんとしている事がわかったのだろう、エアーは構えていた武器を下ろす



「エアー、大丈夫か?」

「まあな、」


少し溶け、焦げたボディを撫でながらエアーは苦笑する
恐らくヒートは容赦なくエアーに攻撃してきたのだろう


「メタル!来てくれたんだ!」

「ヒート…」



嬉しそうなヒートにメタルは鋭い視線を送る
駆け寄ってくるヒートにメタルは無言でブレードを投げつけた



「メタル!?」



驚いたように声をあげたのはエアーだった
まさかメタルがヒートに攻撃を仕掛けるとは思っていなかったのだろう



「何すんのさ!」


それはヒートも同じだったようで、寸での所でブレードをかわしたヒートはメタルを睨みつける
しかしメタルは動じることなく次のブレードを構えていた





「先ほど、先に仕掛けてきたのはお前だろう?武器を向けられたからにはこちらもそれなりの対応はさせてもらう」

マスクをしてない口元が弧を描き笑う
紅い瞳に確かな怒気を含ませメタルは笑っていた
エアーは久しぶりに感じるメタルの怒りに目を見開く
メタルが兄弟に、対しこれほどまでに怒りを露わにするのは珍しいことだった
ましてや、甘え上手なヒートを叱ることはあっても、怒るということはなかった



「どうした?エアーにやったように俺にも本気で攻撃してこい」

「……………。」


エアーはヒートに視線を向ける
ヒートは初めて向けられる純粋な怒りに完全に呑まれてしまっているようだった
見開いた瞳にはありありと恐怖が滲んでいる




「お前が来ないのならば…こちらから行くぞ!」

「メタル!」


メタルは跳躍し一気にヒートとの距離を詰める
至近距離でブレードを突き立てんとするメタルにとっさにエアーは叫んでいた
普段冷静な兄機が、本気で怒った場合、驚く程の冷酷さを発揮するということをエアーは知っていた
止めに入ろうにも熱にやられた体では反応が遅れる

ヒートは恐怖にぎゅっと目を瞑り訪れる痛みに耐えるように体を縮こまらせた












パタリと音が聞こえ辺りが真っ暗になったのがわかった
ヒートは恐る恐る目を開ける
そこは暗闇だった
しかし想像していた痛みは感じない



「ヒート」


くぐもった声が聞こえた
メタルの声だとわかったが、何かが邪魔をして明瞭に聞こえない
聴覚センサーの異常かと思ったが、暗闇に目が慣れてくるにつれその理由も判明する




ヒートはそっと自分の箱状のボディの蓋を開けた
先ほどのパタリという音は恐らくメタルによって自分のボディの蓋が閉じられた音だったのだろう
僅かに覗いた隙間からメタルの紅い装甲が見える
その装甲がなんだか滲んで見えるのはきっと知らず知らずのうちに泣いていたからだろう
まばたきをして冷却水を流すと視界が明瞭になった


「ヒート」


今度ははっきりと呼ぶ声が聞こえた
しかし先ほどの恐怖が先立ち完全には蓋を開けられない

メタルはいつだって優しかった
どんな我が儘を言っても困ったような笑顔で許してくれた
しかしヒートはその笑顔が嫌いだった
自分がどんなにメタルを困らせても、メタルはただ笑うだけなのだ
叱られることはあっても本気でメタルがヒートに対して怒らないのが嫌だった
自分はメタルにとってどうでもいい存在なのではないか、だからメタルは本気で自分を怒らないのではないか…
いつしかそんなひねくれた感情が生まれた
優しいメタルが大好きだからこそ、ヒートは不安になった
そんな不安を悟らせるわけには行かなかった
メタルの愛情が本物であると信じていたかったから
自分のひねくれた感情を肯定したくなかった





「ヒート、すまなかったな…恐がらせてしまって……」

メタルはそっとヒートのボディに手を伸ばし蓋を開ける
こちらを見上げてくるヒートの表情は不安げだった


「ごめんなさい…」



小さく呟くヒートの頭をそっと撫でる
ヒートはまた表情を歪めた



「俺の方も、恐がらせるつもりはなかったんだ…ただ、俺は今までお前を甘やかしすぎていた自覚はある。お前はいつも素直に甘えて来てくれるから…嬉しかったんだ」


優しい兄としてしかヒートに接することが出来なかった
結果、ヒートは幼い感情を暴走させたのだろうとメタルは考えた
ヒートが我が儘を言った時に僅かに見せる不安も漠然と感じ取っていた
しかし、優しい兄としてヒートに接するのが幸せだった



「お前を不安にさせて悪かったな…優しさだけが愛情じゃないというのに……。だが、俺が今までお前に接してきた気持ちは本物だ。お前も、俺の大切な弟だ。だから心配しなくていい」

「メタル…」



ポロリとヒートの目から雫がこぼれた
ひとつこぼれるとそれはもう止まらなかった
堰を切ったように流れる涙に滲んだ瞳でメタルを見上げると、困ったように笑っていた

いつもはその笑顔が嫌だと感じたが、今はその笑顔を嬉しいと思った













++++++++++++++++++++
終わらなかった……\(^o^)/

長ったらしくて本当にすみません…
心折れるぅぅぅぅorz
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