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(フラッシュとクラッシュ)

(頭悪いギャグ)














「フラッシュ!!フラッシュ!!!」

自室で寛いでいるとドタバタとクラッシュが飛び込んできた
相変わらずコイツの中には配慮という単語は存在しないらしい
しかしコイツの配慮はありがた迷惑になる場合が多いのでここはぐっと文句を飲み込む




「なんだよ……」

「キモダメシに行くぞ!!」

「はっ……?」




おまえ、単語の意味わかって言ってんのか?
そんな視線を送れば心外だと言わんばかりに口を尖らせる




「なんでまた、肝試しなんだよ?」

「テレビでやってた!おれもやりたい!心霊写真撮るんだ!」



あれほどメディアの情報操作の被害者になるなと言ったのにコイツは……
お前はまた番組製作者にまんまと踊らされているんだぞ、だいたいロボットが肝試しとか…ねーよ
そもそも肝がねーよ
あるのは内部パーツだっつうの
いろいろとツッコミを入れたかったが、言った所でコイツが聞くとは思えない
俺ははぁぁぁと溜め息をついた













クラッシュと共にやって来たのは廃病院だった
何年も人の立ち入りがないらしく、外観からして荒れ放題だ
この様子だと中も相当酷いだろう



「とっとと行くぞ」

「お、おう」




そしてなんでコイツはびびってんだ?
この程度の廃墟なら任務で行き慣れてるだろ
月明かりに照らされ浮き上がる建物は確かに不気味だが、いつも似たような場所に行ってお前は嬉々として破壊活動に勤しんでるじゃねえか




「おい、大丈夫か?」

「……大丈夫だ!でもフラッシュ先に行っていいぞ!」

「めっちゃビビってんじゃねーか…」

「びびってない!いいから行くぞ!」

「へいへい…」




俺は欠伸をかみ殺しながら廃墟の中に足を踏み入れる
中は予想以上に酷い有り様だった
歩く度に床がギシギシと耳障りな音をたてる
幽霊云々より俺は床が抜けるんじゃないかという恐怖が湧いてきた
後ろを向くと固い表情のクラッシュがぴったりと着いてくる


「あの辺の部屋で写真撮って帰るぞ」

「おう……」



俺は適当な部屋に入る
カビくさい室内はどうやら病室だったようで、汚いベッドが当時のまま放置されていた
窓ガラスは割れていてボロボロになったカーテンがバサリと風に揺れている
俺は適当に室内にカメラを向けシャッターを押す
最後にクラッシュにカメラを向けて撮影し、その日は何事もないまま帰還した












「すごかったな!廃墟!」

「そうか?いつも行ってる所と変わんねぇと思ったが…」


そんな会話をしながら通路を歩いていると前方からメタルがやって来た



「お前ら、こんな時間にどこ行って…………………」

「…………?」



メタルの言葉がピタリと止まる
珍しく驚いたような顔でじっと俺達を…正確には俺達の後ろを見て固まっている
ゾワリと人工皮膚が粟立つ
隣のクラッシュを見るとどうやらクラッシュも同じらしく固い表情でこちらを見てきた




「メタル……?どうしたんだよ…」

「………いや、気のせいだ…なんでもない……とにかく!はやく部屋に戻りなさい!」


ちょっと待て
余計気になるだろ!なんだそのあからさまな反応は!!眠気も吹っ飛ぶわ!
クラッシュを見ろ!今にも泣きそうじゃねぇか!




「メタル!」

「何だ?」


がしっとメタルにしがみつくクラッシュ
このタイミングであの反応だったから余計恐怖心を煽られたのだろう



「なにが気のせいなんだ?!」

「いや、多分俺の見間違いだろう。最近徹夜続きだったからな…今日は俺も早く休むとしよう。お前達も早く寝なさい」


ポンポンとクラッシュの頭を撫でてメタルは行ってしまった
俺達に確かな恐怖を残して……
はぐらかされる方が余計に怖いっつーの




「フラッシュ………」

「と、とりあえず写真…現像してみるか……!」



恐怖を紛らわすためにあえて明るく言えばコクコクと無言で頷くクラッシュ
俺達はとりあえず俺の自室に戻り、カメラをプリンターに繋ぐ
ガシャガシャとカートリッジが動き、映像を印刷してゆく
俺とクラッシュは少し緊張しながら吐き出される紙を見ていた



「…特に変わった所はねぇよな」

「うん…」



一枚目
ボロボロのカーテンが写ってるだけだ

次々に印刷される写真を見ても汚い病室以外は異変は見られない
二枚、三枚、四枚と写真を見ていくがどれも似たり寄ったりで正直、ほっとしていた時だった




「フラッシュ!!!!」

「ぐふっ…………!」



最後の写真を見たクラッシュの顔つきが変わる
顔面蒼白で俺に抱き付いてきた
重装甲のクラッシュの体を上手く受け止められず俺の後頭部は壁に激突する
ついでに腹部パーツからも嫌な音が聞こえたような気がしたが気のせいだと思いたい





「こ、これ………!!」

「テメェ…いてーんだよ…いきなり何だよ……」




俺の苦しみなぞお構いなしにクラッシュはべちっと一枚の写真を俺の顔に突きつける
しかもその力加減も容赦ない
べちっというよりはバシッといった方が正しい
イラッとしつつも突きつけられた写真を剥がし見やる








「これ………」

「……………。」

せっかく薄れかけていた恐怖が再来する
写真は最後になんとなく俺がクラッシュを撮ったものだった
写真の中のクラッシュは固い表情で実に間抜けだ
コイツの間抜け面は今に始まったことじゃないのでたいしたことはない
問題はクラッシュの背後だ

写っていらっしゃりましたとも
それも鮮明に
そこにいるはずのないモノが!!
お前、仮にも幽霊の類ならもう少し遠慮してさり気なく写り込め!
謙虚さというのは人間にしろロボットにしろ大切なものだというのにコイツからは全く謙虚さは感じられない
ここまでハッキリ写り込まれたらレンズの汚れとか、光の加減とか、そんな風に誤魔化せねぇじゃねえか



「フラッシュ……」

「………………。」


既に涙目のクラッシュ
お前も兄貴なら泣くんじゃねぇ
余計気分が落ち込むだろう!






「……………寝るぞ」

「えっ…?」



俺の俺一人による壮大な脳内会議の結果、俺は現実逃避をすることに決めた
つまり、この写真の存在を無視することにしたのだ



クラッシュを退かすと俺はさっさと自分の寝台に潜り込む
当然のようにクラッシュも潜り込んできたが、寛大な心で許してやる
決して恐いからではない














後日、バブルが例の写真を心霊番組に送ってそれがうっかりテレビで紹介され、兄弟中に俺達のトラウマが知れ渡ったのはそう遠くない現実だ







+++++++++++++++++++++
夏が近付いてきましたね
心霊番組は好きですがホラー映画は嫌いです


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(よくわからんブルメタ)


















思えば俺は驚く程コイツに固執しているのだと思い知らされる
フラリと俺の前に現れ、好き勝手やって、またフラリといなくなる
現れた時には近寄るな、消えろという思いが強い
しかし生憎、長年ヤツに抱かれ続けた体は思いとは裏腹にどこか期待してしまう
悔しいことにヤツと俺の体の相性は恐ろしいほど良いのだ
かといって、他の遊び相手の様に割り切って事に及ぶ気にはなれない
そう割り切れたらどんなにか楽だろう

行為の最中も、悪態は吐くが睦言は言わない
そんな生温い関係ではないし、向こうだって俺を愛しているわけじゃない
ヤツの気紛れに俺が振り回されているに過ぎないんだ
わかっているからこそ腹が立つ
だけど拒否出来ないのもまた事実
仮にヤツが俺を愛していたとしたら、俺だって拒否出来るのに、ヤツは俺に何の感情も持たないまま俺を抱くからこちらが拒否したらなんだか負けた気分になり悔しい
俺の中のヤツに対する執着心を気取らせるわけにはいかないのだ











「俺はお前が大嫌いだ」

お前の気紛れにはもううんざりだ
もう俺に構わないでくれ
睨みつけて言ってやればにやりと笑う
ああ、腹が立つ



「お前が俺を求めているんだろ?」

「自惚れるな。そんなわけはない」

「だったらさっさとここから逃げればいい」



ギシリと寝台が軋みヤツが俺に覆い被さってくる
逃げればいいと言いながら逃がす気なんかない
俺が逃げないのも知ってるんだろう



「お前が求めている限り、それには応えてやらなければな」

「…………………。」


何も言い返せないまま、俺の意識は快楽に流されていった














++++++++++++++++++++
なんかよくわからないBLM
ブルースにはいろいろお見通しってことです。

駄目だ、眠い。


※続きものです

※さらに続きます
恋は戦争#1/#2/ 次>#4

※後でいろいろ直します
















バブルと共に向かったワイリーのラボに入るとそこにはフラッシュがいた
流石に今までのことからメタルは警戒したままフラッシュに声をかける




「フラッシュ…?」

「あぁ゛?」


眉間に皺を寄せたままコンピュータからこちらに視線を移すフラッシュ
メタルの姿を確認すると不機嫌そうに奥のラボを指差した
おそらく奥にワイリーがいるのだろう



「お前は大丈夫なのか?」

「俺は昨日のヤツ完全にはインストールしてねぇからな。感染はしてねぇよ」

「感染?」


物騒な単語が聞こえメタルは目を見開く
フラッシュは面倒臭そうにとにかく博士に話を聞けというような視線を向ける




「…バブルは大丈夫なのかよ?」

「うーん…多分僕も駄目だとは思うよ。まぁ多分ある程度自分で抑えられるけど」

「なら丁度いいサンプルだ。バブルはこっち来て協力してもらうぞ」

「うわぁ……実験前のモルモットの気分…」


茶化しながらも素直に従うバブル
そんないつも通りの兄弟のやりとりにメタルはとてつもない安堵を感じた
同時に、はやく日常を取り戻さなくてはという気持ちが強まり、メタルは早足でワイリーのいる奥のラボに向かう









「ワイリー博士」

「おお…メタルマンか…」


ラボに入ると少し疲れた様子のワイリーがメタルを迎え入れた




「博士…もしかしてお休みになられていないのですか…?」

「そんなことは大した問題ではないわい。それより、お前もナンバーズの異常はもうわかっているな?」

「はい…」


兄弟達の異常は朝から嫌と言うほど体験している





「結論から言えば、アレはウィルスによるものじゃ」

「ウィルス……」

「昨日、ワシがお前たちに渡したソフト…そいつにウィルスが感染していたようでな…すまない」



渋い顔でうなだれるワイリーにメタルは慌てる
ワイリーの話では自分にもウィルスが感染していることになるからだ




「では、私にもウィルスが?」

「いや、おそらくお前は大丈夫だろう。元々お前に渡したソフトだけは他のものと違ったからな」

「違うもの?」



メタルの言葉にワイリーは頷く



「お前に渡したソフト以外には感情プログラムに作用する内容のプログラムが入っておった。その新しいプログラムがどうやら開発途中からウィルスにやられたようでな…」

「どんなウィルスなのですか?」

「感染したプログラムの内容を増強するものじゃ。うまく使えば非常に魅力的なウィルスだが……」

一旦言葉を切りワイリーはため息をつく



「まさかこんな事態になるとはな……」

「博士のせいではありません。…博士は、何故私にはそのソフトを渡さなかったのですか?」


兄弟達の暴走がウィルスによることはわかった
しかし、いくつかの疑問が生まれる
ワイリーは何故自分にはソフトを渡さなかったのか、また兄弟達は揃ってメタルに固執してきた
しかしクイック、クラッシュ、ヒート、ウッドに比べ、同じソフトをインストールしたエアーやバブルは一見普段と変わらない様だったし、ある程度自覚もしているようだった



「今回の実験は、特定の対象に向ける感情の発達の研究だったのじゃ。」
「特定の、対象…」

「そうだ。お前は兄弟達には平等に愛情を注いでいるだろう?」

「はい。みな大切な弟ですから」

「だからこそ、お前には与えなかった。かわりに新しいプログラムの対象をお前にしたんじゃ。お前から注がれる平等な愛情に対して他のナンバーズの感情プログラムがどのように作動しているのか、それを調べたかったのだが……」

「ウィルスによりプログラムが増強されてしまったのですね」

「そういうことじゃ…フラッシュマンはインストール途中でウィルスの存在に気付きインストールを中断したようだな」


兄弟一の処理能力を持つフラッシュだからこそウィルスに気付いたのだろう
冷静な判断の出来るフラッシュが正常だとわかりメタルは少し安心する



「それに、元の感情プログラムの発達具合や、AIの新しさによっても影響は変わってきているようじゃな…。エアーとバブルの2人は比較的感情プログラムが落ち着いている上に内部パーツもクイック達と違う。ウィルスによって増強されたプログラムをすべて処理しきれないから影響もあまり出ておらんのだろう。逆もまた然り、じゃ」


なるほどとメタルは嘆息する
感情プログラムの起伏が激しいクイック、クラッシュ、ヒート、また最新型であるウッドはモロに影響を受けてしまったのだろう



しかし疑問がはれた所で問題は解決しない
メタルとワイリーは暗い面持ちで途方にくれた











+++++++++++++++++++
すみません、適当で…
あの、あとで打ち直します…
(※バトチェクイック×メタル)















普段ならとっくに寝ているであろう弟機の自室への訪問
それだけでも驚くべきことだというのに、さらに驚いたのはクイックがその手に持っていたものだった

ちょっと付き合え

そうぶっきらぼうに呟き手に持った酒瓶をドンと床にたたきつける
メタルはよく弟達に隠れて酒を飲むことはあったが、クイックが酒を飲む姿を見たことがない
てっきり嫌いなものだと思っていたが、飲めるのならば断る理由はない
メタルは酒が飲めるようになった息子と初めて晩酌する父親のような心境でクイックの申し出を快諾した











「おい、飲みすぎじゃないのか……?」

「うっせー…」



クイックが持ってきた酒瓶はあっという間に空になり、気づけば2人の周りには様々な空の酒瓶が散乱していた
しかもそのペースは驚くほど早い
それなりに酒に強いメタルがはっとクイックを見るとその瞳はだいぶ据わっている
これはまずいのではないか、そう思い声をかけるが依然クイックは据わった目でぐいと酒を飲み干す




「おい…大丈夫か……?」

「………………。」



ついにはメタルの声にも反応を示さなくなるクイック
空になった徳利を片手に下を向き微動だにしないクイックに潰れたか、とメタルは苦笑する
自室に運んで寝かせてやろう
そう思い、クイックに近寄り声をかける




「クイック、大丈夫か?」

「………当然です」



クイックを抱えようと伸ばした腕がピタリと止まる
返事があるとは思わなかったことからの驚きだけではない
メタルは何か違和感を抱いた





「クイッ…ク…?」


がしりと伸ばした腕を掴まれる
下を向いていた顔がゆっくりとメタルに向けられる
変わらぬ端正な顔立ち
しかしメタルの中の違和感は消えない
じっとクイックの翠を見つめる
そんなメタルにクイックは楽しそうに口元に笑みを浮かべる







「どうしましたか?」

「お前…誰だ…?」


おかしい
目の前で笑っているのは確かにクイックであるけれど、それはメタルの知る弟ではない
まるで人格が変わってしまっている
丁寧な言葉遣い
まっすぐこちらを見返してくる瞳にはいつものような荒々しい自信はない
静かな、英知に満ちた自信がそこにはあった

弟の急激な変化に戸惑うメタルをよそに、クイックは笑みを深める




「DWN.12 クイックマン。あなたの弟じゃないですか」

「頭でも打ったのか?まさか今日のレースで………」




そういえば今日のレースは激しいデッドヒートが繰り広げられたと聞いた
クイックは寸での差で敗れたらしく、帰宅した際には随分と荒れていた
こうやってメタルと酒を飲んだのも、レースのことを引きずってのことだとメタルは考えていた






「今日のレース…か………あんなものレースじゃありませんよ…」

理性的だった翠が僅かに乱れる



「審査員が買収されていた……あんな汚いレースで走ったと思い出すだけで虫酸が走る……」

「……………っ!」



ぎりぎりと掴まれた腕が締め付けられる
鈍い痛みを感じメタルは僅かに眉をひそめた
そんなメタルに気づきクイックは、ああ、すみませんと力を弱めるが、掴んだ腕は放さない





「ねぇ、」

「……………。」


落ち着きを取り戻した翠が再びメタルを見つめる
メタルはその瞳を見てぞくりとした





「慰めて、くださいよ?」


掴まれた腕を引かれメタルはバランスを崩す
クイックはしっかりとメタルの体を抱き止めるとまたにっこりと笑った














(理性的な瞳とその奥にある確かな欲望に抗う術などないのだ)


++++++++++++++++++++
バトチェクイック見てるとああ、クイックってやっぱりペースはエレキなんだなって思います。
笑いが止まらん\(^o^)/きもやかwww

酔っ払いのテンションでバトチェクイック×メタル書いたが反省はしている
だが楽しかったんで後悔はしていない←
また書いてみたいです。すみません…私だけがたのしくて…しかしきもちわるいな、パヤオ…楽しい!

(ブルメタのつもり)
(酷い駄文です)











いつものようにフラリとワイリーの元を訪れた
別にこれといって用事は無かったが、エネルギー補給を兼ねてワイリーの様子でも見ておこうという気まぐれだった







「……………!」

歩き慣れた通路を進んでいるといきなり円盤状の刃物が飛んできた
またワイリーが仕掛けでも作ったのかと少し呆れながらシールドを翳し跳ね返す




「…………誰だ?」


前に翳したシールドを下ろすと赤い装甲が見えた
歩みを止め、短く問う
赤いロボットは何の感情もこもらない瞳でこちらを見つめていた



「侵入者は、排除する」



無機質な声と共に赤いロボットは円盤上の武器を構える
どうやら先ほど飛んできた刃物はトラップではなくこいつが放ったものらしい




「お前、ワイリーが作った新型か?」


ワイリーは純戦闘用のロボットを開発していた
もっとも、その研究はあまり上手くいっていなかったが、こいつがもしワイリーの作ったロボットだとしたらワイリーにとって初めての成功作と言えるだろう






「メタルマン、いきなりどうしたんじゃ?………………ブルース!」


赤いロボットの後ろから聞き慣れた声と共にワイリーが現れた
それからメタルマンと呼ばれたロボットに対峙する俺を見て驚いたように声をあげた




「ワイリー博士。侵入者です。ただちに排除しますのでお下がりください」

「待て!メタルマン!そやつは侵入者ではない」



ワイリーの言葉に素直に構えた武器を下ろすロボット
ワイリーはホッとしたように胸をなで下ろしていた










赤いロボットはメタルマンという名前で、やはりワイリーがようやく開発に成功した戦闘用ロボットだった
メタルブレードという特殊武器を用い、高い跳躍力と機動性を生かし戦うらしい
しかし、ワイリーいわくまだコイツは不完全だった



「わしはこいつにもお前と同じ様な感情プログラムを組み込んだんじゃが………見てわかるようにどうもそれが上手く作動しておらんみたいなんじゃ…」



ワイリーの言う様にメタルマンはまるで無表情だ
先ほど対峙した時も、殺気すら感じなかった
敵の排除をただ命令された仕事としか思っていない、完璧な機械だった





「おそらくワシ以外接する相手がいないからだと思うんじゃが………どうだブルース。ちぃと協力してはくれぬか?」





別に俺がワイリーに協力する義理はない
しかし、ワイリーの作ったロボットには少し興味が湧いた
興味が削がれたらまたここを出て行けばいい
俺は形だけワイリーの要求を受け入れ、しばらくここに滞在することにした









「メタルマン」



先を歩くメタルマンを呼べばくるりとこちらを振り返る
ワイリーに言われ、俺を部屋まで案内するのが今のコイツの“仕事”だった
俺が歩みを止めればコイツも止まる
俺はメタルマンに近寄りその口元を覆うマスクに手をかけた




「…………何だ?」


必要最低限しかなされない会話

俺は問いには答えずマスクに指を引っ掛ける
硬質なマスクを外すと、予想以上に整った顔立ちが現れた





「俺好みの顔だ」

「そうか」


ほっそりとした頬を撫でる
普通の奴なら何かしら反応を示すがメタルマンは全くの無表情だった




「人形だな、まるで」


綺麗に整った顔立ち
主の言うことは何でも聞く機械人形




「育ててみるのも、面白いかもしれないな…」


もしワイリーの言うようにコイツに感情があるのならば俺はもっとコイツの様々な顔が見たいと思った
感情プログラムは常に変化してゆくものだ
変化がないなら無理矢理にでも変わるように手を加えてやればいい


反応はないだろうと思いつつ、俺はメタルマンにキスをする
やはり拒みもしなければ受け入れもしない人形

この人形をどう変えていってやろうか、目の前の無機質な紅い瞳を見つめながら、俺は一人ほくそ笑んだ

















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やっぱりブルメタ書けん\(^o^)/
無w理wwwwww
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